水中ドローン、または自律型水中探査機(AUV)は、様々な種類のセンサーを使用して水中を探査し、データを収集します。一般的に使用される主なセンサーは以下のとおりです。

ソナーセンサー

水中で使用されるソナーセンサーは、音波を発することで水中の物体を検出し、距離測定、3Dマッピング、物体識別、水中環境の監視などの目的で使用されます。

ソナーセンサーは、一般的にアクティブソナーとパッシブソナーの2つの種類です。アクティブソナーは、センサー自体から音波を発することで、水中の物体を検出します。一方、パッシブソナーは、水中に存在する音を受信し、その音から水中の物体を検出します。

また、ソナーセンサーは周波数によっても分類されます。高周波のソナーセンサーは、より精密な距離測定や物体の検出に使用されますが、短距離しか測定できないため、水中探査には向いていません。低周波のソナーセンサーは、長距離の距離測定に適しており、水中探査に使用されることが多いです。

さらに、ソナーセンサーは、測定に使用する波形によっても分類されます。一次元のソナーは、水深の測定に使用されます。二次元のソナーは、水中の物体を検出し、周囲環境の3Dマップを作成するために使用されます。三次元のソナーは、水中の物体を高精度で検出するために使用されます。

ソナーセンサーは、水中探査に必要不可欠なセンサーの1つであり、深海探査や海底資源の探査、海洋生物の監視などに活用されています。

深度センサー

水中で使用される深度センサーは、水中での位置と深度を測定するためのセンサーです。深度センサーは、水圧を測定することで深度を算出します。一般的に、深度センサーは、水中探査機、潜水艦、水中ロボットなどに搭載されています。

深度センサーには、圧電式、振動式、電気容量式などの種類があります。圧電式の深度センサーは、水圧によって生じる圧力変化を検出して、深度を計測します。振動式の深度センサーは、水中での共振周波数を測定して深度を算出します。電気容量式の深度センサーは、水圧によって変化する容量を測定して、深度を計測します。

深度センサーは、水中探査において非常に重要な役割を果たします。深度センサーを搭載した水中探査機や潜水艦は、海底の地形を調査したり、深海生物の観察を行ったりすることができます。また、深度センサーを搭載した水中ロボットは、海底資源の探査や水中施設の修理などに活用されます。

一般的に、深度センサーは、非常に正確な測定を行うことができますが、水中の温度や圧力の変化によっても影響を受けることがあります。したがって、測定精度を確保するために、深度センサーの定期的なキャリブレーションやメンテナンスが必要です。

GPSセンサー

水中でのGPS測位は、衛星信号が水中を進む際に減衰し、反射や屈折が起こることから、陸上で使用するGPSとは異なり、測位精度が低下するため、直接的な測位が難しいとされています。しかし、水上機や船舶など、水面上での移動においては、水上を進んでいるため、一定の測位精度が確保できることがあります。

一般的に、水中で使用されるGPSセンサーは、船舶や水中探査機などの移動体の位置情報を測定するために使用されます。これらのGPSセンサーは、測位の精度を向上させるために、水中での測位誤差を補正するために、水中GPSやデッドレコニング(軌跡推定)といった技術を併用することがあります。

水中GPSは、海底に設置されたビーコンを用いて、水中探査機や潜水艦などの位置情報を測定するために使用されます。ビーコンから発信される信号を受信することで、水中探査機や潜水艦の位置を算出することができます。一方、デッドレコニングは、水中探査機や潜水艦などの移動情報を基に、推定された位置情報を算出する技術です。

また、GPSセンサーは、位置情報を取得するために衛星からの信号を受信するため、水中で使用する場合には、水中透明度が高く、電波が妨げられる要因が少ない場所での使用が望ましいとされています。

以上のように、水中で使用されるGPSセンサーは、水上移動体の位置情報を測定するために使用されます。水中でのGPS測位には、測位誤差が発生することがあるため、測位精度を向上させるために、水中GPSやデッドレコニングなどの技術が併用されることがあります。

イメージングセンサー

水中で使用されるイメージングセンサーは、水中の物体や生物の映像を捉えるために使用されます。水中の映像を捉えることにより、海底の地形や水中生物の生態を調査することができます。

一般的に、水中で使用されるイメージングセンサーは、音波を用いたソナーや、光を用いたカメラがあります。

水中でのソナーは、音波を水中に放射し、反射した音波を受信することで、水中の物体や地形をイメージングします。ソナーは、水中の物体の密度や硬度、形状などを捉えることができ、海底地形の調査や水中探査機の航行支援などに使用されます。

一方、水中でのカメラは、光を水中に照射し、反射光を受信することで、水中の映像を捉えます。水中でのカメラは、水の透明度が高い場所では高精細な映像を捉えることができますが、水の濁りがある場所では映像が乱れることがあります。

また、水中で使用されるイメージングセンサーは、水圧に耐えることができるように設計されています。水圧に耐えるために、センサーのケースやハウジングは、高強度の材料で作られることがあります。また、水中で使用されるイメージングセンサーには、水中透明度や水中温度など、水中環境に適応した光学設計がされていることがあります。

以上のように、水中で使用されるイメージングセンサーは、水中の物体や生物の映像を捉えるために使用されます。水中でのイメージングセンサーには、音波を用いたソナーや光を用いたカメラがあり、水圧に耐えるための設計や水中環境に適応した光学設計がされていることが特徴的です。

導電率・温度・深度(CTD)センサー

水中で使用されるCTDセンサーは、水の導電率、温度、深度の3つのパラメータを測定するために使用されます。これらのパラメータは、水中の物理的および化学的なプロセスを理解する上で非常に重要です。CTDセンサーは、海洋学や水産学などの研究分野で広く使用されています。

導電率センサーは、水中の電気伝導度を測定します。水の導電率は、溶解物質(主に塩分)の量によって変化します。このセンサーは、導電性が高いイオンを含む海水において非常に正確に動作します。水の導電率が高いほど、水中のイオン濃度が高く、塩分濃度が高いことを示すことができます。

温度センサーは、水の温度を測定します。水の温度は、海洋や湖沼などの水域において、大気、太陽光、風、海流などの複雑なプロセスによって制御されます。温度センサーは、水中の物理的および生物学的なプロセスを理解するために、また、環境モニタリングや天候予報などのアプリケーションで広く使用されています。

深度センサーは、水の深度を測定します。水中の深度は、水圧によって決定されます。このセンサーは、通常、圧電素子を使用して水中の水圧を測定し、水中の深度を算出します。深度センサーは、海洋学や気象学などの研究分野で広く使用されています。

CTDセンサーは、水中の導電率、温度、深度の3つのパラメータを測定するために使用されます。これらのパラメータは、海洋学や水産学などの研究分野で重要です。導電率センサーは、電気伝導度を測定し、温度センサーは、水の温度を測定します。深度センサーは、水の深度を測定するために使用され、圧電素子を使用して水圧を測定します。

化学センサー

水中で使われる化学センサーは、水中の化学物質の濃度を測定するために使用されます。これらのセンサーは、水中の汚染物質、栄養塩、酸素、二酸化炭素、pHなどの重要なパラメータを測定することができます。

水中の化学物質を測定するには、様々な種類の化学センサーが使用されます。例えば、pHセンサーは、水中の酸性度またはアルカリ度を測定するために使用されます。このセンサーは、酸性またはアルカリ性の物質に反応し、それによってpH値を測定します。

水中の酸素濃度を測定するためには、酸素センサーが使用されます。このセンサーは、水中の酸素を測定するために使用され、酸素が水中に溶けている場合に反応します。

栄養塩の濃度を測定するためには、アンモニア、硝酸塩、リン酸塩などのセンサーが使用されます。これらのセンサーは、水中の栄養塩の濃度を測定するために使用され、水中の生物学的プロセスを理解するのに役立ちます。

また、水中の有害物質や汚染物質の検出には、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、質量分析法、光学センサーなどの高度な技術が必要になります。

水中で使用される化学センサーは、環境モニタリング、水産業、水資源管理などの分野で広く使用されています。これらのセンサーによって、水中の化学物質の濃度を正確に測定することができ、環境保全や人間の健康に役立つ情報を提供することができます。

まとめ

水中ドローンに使用されるセンサーは、周囲の環境に関する様々なデータと情報を提供し、研究者や技術者がより正確かつ精密に海洋を探査、マッピング、監視することを可能にします。

弊社の水中ドローン「Solaster ROV」は、高精度な映像や測定データを提供することができます。海洋に関する調査や観察を行う際には、ぜひ弊社の水中ドローンをご活用ください。

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